欲望チェリ-止まらない心

卒業式が終わった。



しかしすぐに下校する生徒は少なく、校舎の前には卒業生やその父兄、教師たちで賑わっていた。


写真を撮り合う先輩たち。


あたしはそんな光景を見ながら下駄箱でひー君を待っていた。



ひー君は今ごろ友だちとお別れをしているだろうから…


邪魔はできないよね。


あたしは下駄箱に持たれながら息をはいた。







一人でぼんやりしていると……色々と気持ちが揺れてしまう。



紅とのこと。

どうしたらいいのかな…


今日を逃せばもう…しばらく紅には会えないかもしれない。


こんな中途半端な気持ちを持ち帰るの?


自分にケジメを付けるなら…今日しかない。






だけど



逢って何を話すのか

何を言いたいのか。


何もわからない…。





逢うのが怖いよ。



逢いたいのに…

紅に逢うのがこんなにも怖くて。





そう思うとどうしても足が動かない。









『逃げちゃだめだよ』


優花先輩の声が聞こえる。



だけど、あたし……