キスをする二人から少し離れた場所で立ち尽くすあたし。



優花先輩の相手は教師だった。


キスを終え見つめあう二人――…


教師は、優花先輩の頭にポン…と手を置くと、その場を去っていった。


その背中を見送る優花先輩の背中は少し切ない。









しばらくして優花先輩はクルリと振り返った。



ドキ…!

あ…しまった。


逃げるのを忘れて立ち尽くすあたしと優花先輩の視線がぶつかった。


優花先輩は目を見開いた。


「み…三咲ちゃん…」


「っ………」


優花先輩も驚いていたけど、あたしはそれ以上に衝撃を受けていた。



だって、なんで??

紅は……?











混乱するあたしに、優花先輩は気まずい表情で近付いてきた。


「ゴメン…今の、見なかったことにしてくれるかな?」


「!」


あたしは持っていたゴミ箱を落としそうになった。


「先生に迷惑かけたくないの」


「え…?」


「先生…結婚してるから」


「!」


優花先輩は申し訳なさそうに、視線を落とした。