欲望チェリ-止まらない心

「……三咲」



熱い吐息と共にこぼれるように呼ばれた名前。


ふいに離れた唇に、あたしがひー君を見ると…


ひー君は恥ずかしそうに顔を背けた。







「…これ以上はやめておこう」







―――…え?





「三咲を…大事に扱える自信がない」





そう言うと、ひー君はあたしをそっと離した。


暗闇に照らされたひー君の耳は赤くなっていて…。


あたしの為に、すごく我慢してくれているのが分かった。









「イルミネーションでも見に行こうか」


ひー君は気持ちを切り替えるように、小さく笑う。


「せっかくのイヴだし。家にいてももうすぐ親が帰ってくるから」


ひー君はそう言うと


部屋の明かりを付け、あたしにコートを手渡した。


「ひー君…」


「ほら、寒いからマフラー巻いて」


まだ気持ちが切り替わりきっていないあたしの心を醒ますように


ひー君はふわりとマフラーを巻いてくれた。



「行くよ」


ひー君はあたしに手を差し出した。


そして、あたし達は手を繋いで外に出た。