欲望チェリ-止まらない心

朝礼が終わり教室に戻る廊下でもう誰もあの噂はしていなかった。



「藤ヶ崎先輩…やっぱカッコいいわ」


「私、やっぱり藤ヶ崎先輩のこと信じてる!」



むしろそんな話が聞こえていた。



意外だったのはそれだけじゃない。


あんな事があった後に関わらずひー君と紅の関係も完璧に修復されていた。


まるで何もなかったかのように


有能な会長と副会長として、または親友として絶妙なコンビを見せる二人。


あまりに自然な二人の関係に


三角関係そのものが、ウソだったと言われるようになった。











「ひー君はやっぱりスゴいね…」



数日後の放課後


隣を歩くひー君にあたしは呟いた。


あたしが悩んでいたのが恥ずかしいくらい


ひー君に関われば、こんなにも簡単に悩みは解決していく。



ひー君はそんなあたしの頭を優しく撫でた。


俺は完璧じゃないよ、と言っていたひー君。


だけど……


あの時の弱さは勘違いだったんじゃないかと思う程


やっぱり完璧なひー君を見て。


弱くて平凡なのはあたしだけだね…


なぜだか完璧なひー君に寂しさを感じるあたしがいた。