欲望チェリ-止まらない心

その日は朝から体育館で全校朝礼があった。


先生の話の後に、ひー君が壇上に上がった。


ドキ…ン


風邪で3日間、休んでいたひー君。


一緒に登校しなかったから知らなかった。


ようやく風邪が治ったんだね。


あの事件以来のひー君の姿に、体育館内は少しざわついた。


好奇の視線が向けられる中、マイクの前に立つひー君。


「皆さん、おはようございます」


だけどひー君は、いつもと変わらず爽やかで


時折、笑顔も見せていて。


「次期生徒会の総選挙についてお知らせがあります」


病み上がりのひー君は時折ゴホッと、咳を含ませながらも


凛とした態度で、生徒会からの連絡事項をみんなに伝えた。



徐々に静かになる体育館。



好奇の視線を向けていた生徒達もいつの間にかひー君を黙って見つめていた。


体育館に射し込む朝の光が、ひー君をキラキラと照らし出す。


どんなに悪い噂が出ても、ひー君には関係ない。


ひー君がひとたび話しだせば、皆が魅力されてそれすらも忘れてしまうんだ。


立ち振舞いも、爽やかな笑顔も。


すべてが皆を惹き付ける。