「俺は三咲が好きだよ」 「…………」 「だからもう少し俺にもチャンスをくれないかな…」 ひー君の言葉に、顔がドンドン熱くなる。 そのまま――… あたしはひー君に抱きしめられた。 抱きしめられた腕にギュッと力が込められる。 「最後の決断は三咲が決めればいいよ」 いつも優しいひー君の声が少しだけ強ばっている気がした。 「だからもう少し俺を見ていて」 涙で滲む夜空の向こうにうち上がる小さな花火が見えた。