欲望チェリ-止まらない心

あたしはぎゅうぎゅうと帯を引っ張ってみる。


だ、だめだぁ


お母さん、力強すぎ!






「……どんくさ」


そんなあたしをしばらく見ていた紅は


そう呟くとあたしの前にしゃがみこんだ。




ドキッ


間近になる紅の顔に、あたしの心臓がはねる。



「ちょっとごめん」


「え?!」


紅の腕があたしの脇に伸びた。


「!!///」


ひゃあぁぁあぁ



紅はそのまま横からあたしの帯のグイッと引っ張った。


紅の肩越しにふわっと大好きな香りが香る。





その時、


紅の力に合わせて、帯が少しゆるくなり胸がスッと軽くなった。


同時に圧迫感や吐き気もスッと消えていく。


「あ、あれ?」


「どう?」


「は…はい。なんか気持ち悪いの治ったかも…」


紅はフッと笑みをこぼした。


「お前、気合い入れて縛りすぎ」


「!!!」


あたしの顔が熱くなる。


「な…ちが…これはお母さんが…///」


「はいはい」


ななな…信じてな~い!!






「じゃあな。」


紅は立ち上がるとクルリと背を向けた。


「こ、紅っありがとう!」


「お~」


紅は振り向く代わりに、一度だけ片手を上げて去って行った。