そんなあたしに、ひー君が手を伸ばす。



「…三咲には本当に敵わないな」


ひー君はそのままあたしの頬をかすめるように髪に触れた。


ドキ…ン



「俺もこれからは…必要以上に忙しくならないように調整するよ」


「!」


ひー君に手が首筋に触れ、思わずピクッとする。



「もう三咲に寂しい想いはさせないから…」


そう言うと


ひー君はあたしの頭を優しく引き寄せた。


ポスッと、ひー君の胸に埋まるあたしの頭。


こんな住宅街で…


しかもあたしの家の前で…


いつものひー君なら絶対こんな事はしないのに。



「三咲、好きだよ」


「………」


「これからはずっと一緒にいよう」



ひー君はそのままあたしを抱きしめた。