夜、風呂あがり。







脱衣場でシャツに腕を通しながら、俺はふとその奥にある洗濯機に目がいった。


洗濯機の上の棚には洗剤が並んでいて


そこにダウ二ーが置いてあった。





…本当にダウ二ーだったのかよ



橘の嗅覚に驚異を感じつつ、何気なく俺は今きたシャツに鼻をつけた。



「…………」



って何をしてんだよ


俺はバカか。


「はぁ」


俺は思考を散らすように濡れた髪をドライヤーでぐしゃぐしゃに乾かした。


ゴ―――ッという音と共に


お風呂上がりの匂いとダウ二ーの香りが狭い脱衣場に暖かく舞い上がる。



本当になに考えてんだ。


アイツは聖の彼女だし…












なのに何故か


アイツの好きだと言った香りが鼻をついて仕方がなかった。