欲望チェリ-止まらない心

―――翌日







あたしは生徒会室でお昼を食べていた。


最近ずっと、狭いトイレの個室で立ち食いしていたから…


机があって、椅子があって…


そんな当たり前のことに感動する。


矢嶌紅が、与えてくれたあたしの居場所…


あたしはお弁当のエビグラタンを食べながら、昨日の矢嶌紅を思い出していた。


ずっと…怖くて冷たい人だと思ってた。


今でもやっぱり怖いけど


矢嶌…紅


それだけじゃなくて、本当は優しい人なのかもしれない。


それにあの笑顔…


あたし、ちょっとは矢嶌紅に認めてもらえたのかな?


あの瞬間、ちょっとだけ矢嶌紅との距離が縮まった気がした。


それが嬉しかった。


気付くとあたしはお箸を口に、小さく笑っていた。









その時



…タンタンタン


廊下で足音がした。


……??


生徒会室は図書室と同じように教室とは別校舎だから


静かな廊下に足音がよく響く。


タンタン…タン


「!」


足音は生徒会室の前で止まった。


え……?


あたしは思わず目がドアに釘付けになった。


だ…誰!?


ま、まさか…矢嶌紅…??