欲望チェリ-止まらない心




その一言に


あたしの心が震えだした。


ちゃんと…見ててくれたんだ。


ずっと冷たかったけど、

この人は見ててくれてたんだ。


「うぅ…ぅ…」


あたしの涙がまた溢れ出した。


「汚ねぇ」


矢嶌紅はそう言うと、ティッシュの箱をあたしによこした。


「んじゃ」


矢嶌紅はそのまま席を立つ。


「え…?あ、まっ…」


「あ?」


矢嶌紅は振り返った。


「…………」


…ごくっとあたしの喉がなる。


「あの…一緒に食べませんか?」


せっかく少し打ち解けたのに…


もう少し、話してみたい。


あたしは初めて、矢嶌紅ともう少し一緒にいたいと思ったんだ。












「やだね」


「え…?」


「なんで俺がお前と食わなきゃなんねーの?」



矢嶌紅はそう言うと、最後に小さく笑った。


「!」



そして、矢嶌紅は去っていった。


「……………」



取り残された生徒会室で


なぜかその笑顔がずっと心に残っていた。