欲望チェリ-止まらない心

放課後に時間のないあたしは、毎晩帰ってから文化祭の仕事をしていたんだ。


だけど、毎日宿題だってでる。


予習復習だってしなきゃいけない。


見たいドラマやTVは、もう随分見てない。


それでも文化祭のことは、ほとんど出来ていなかった。


「すみません…もっと頑張ります」


「いや、先生橘のことは信じてるけどな」


先生はそう言うと、あたしの肩をポンと叩いて去っていった。


立ち尽くすあたしは、スカートの裾をギュッと握った。







その時―――…



「ダメじゃん、三咲」


話を聞いていたのか…


廊下の角から萌菜ちゃんがひょっこり出てきた。


「もっと頑張りなよ?」


「…………」


「うちのクラスの評価が落ちたら、三咲のせいだからね」


萌菜ちゃんはそう言うと、あたしに資料を手渡した。


資料の束にはメモ用紙がついていて


“コピーして冊子を作りクラスに配布してください”


と書いてあった。