ガラガラ…


生徒会室に入ると、まだ矢嶌紅は来ていなかった。


窓のブラインドは閉まり薄暗い生徒会室。


ガタッ…

あたしは一人、パイプ椅子に座ると長机に頭を伏せた。


「……っ」


一人になった途端に涙がじわりと溢れてくる。


もう…苦しい。


頑張るの、しんどい……


誰か助けて


この暗闇からあたしを救いだして…










その時

パッと部屋の明かりがついた。




「……電気つければ?」


先に来たあたしが準備もせずに寝ていた、とでも思ったのか


不機嫌な声が響く。


あたしが顔をあげると、矢嶌紅がドアのところに立っていた。


「……すみません」


あたしはゴシゴシ涙を拭うと、小さく謝った。


「……………」


そんなあたしをチラリと見て、


矢嶌紅は特に何も気にする素振りは見せず


スタスタと長机に歩みよると、あたしの正面に座った。


「…………」


きっと、あたしが泣いてようが泣いてまいが


彼にはどうでも良いんだろう。


「これ、集計取って」


矢嶌紅はあたしの前にバサッと資料を置いた。


「…はい」


そして、あたし達は黙々と作業を始めた。