「三咲…ありがとう」


ひー君はあたしの頭を優しく撫でた。


「紅となら、変なことにならないって保証するよ。」


「あは、なにそれ?どうゆう意味?」


「そのままだよ、三咲は可愛いからね。俺、心配で」


ひー君は冗談っぽく笑った。


「あはは、あり得ないよ。」


「ん…」




そしてあたしとひー君は笑いながら別れた。



胴着姿のひー君の背中が廊下の角に消えるのを見つめながら…



あたしの胸は、はち切れそうになっていた。
















そしてこれが、過ちの始まりだった。



聖はこの瞬間に、自らの手で



三咲と紅に、恋へのきっかけを与えてしまったのだった。