しかし放課後


あたしが生徒会室の前に行くと剣道の胴着姿のひー君がいた。



これから生徒会なのに…


なんで胴着姿なの?


あたしの胸に嫌な予感が広がる。





ひー君はあたしを見ると歩み寄ってきた。


「ごめん三咲。今日の生徒会、会議がなくなったんだ」


「え……?」


「仕事だけは紅に頼んだから…悪いんだけど三咲は紅のサポートお願いできるかな?」


そう言うとひー君は手を顔の前で合わせた。


「本当にごめん…」


「ッ………」


あたしは唇を噛んだ。


ひー君…


ひー君………











「うん…ッ。わかったよ!」


あたしはニコッと笑う。


「生徒会の事はあたしに任せて?ひー君は部活、頑張ってね!」



こんなこと、メールでも済ませれたのに。


だけどひー君は忙しい中、ちゃんとあたしに言いに来てくれた。


わざわざ部活前に、胴着姿で…


なのにあたしが、どうしてひー君に寂しいなんて言えるだろう。


わがままなんて、言えるだろう…