欲望チェリ-止まらない心


「ッ…!」


驚いたあたしは思わず背筋を伸ばしてそちらを見た。


「!」


あたしと目があった彼も、目を大きくさせた。





え??


な…なんで矢嶌紅が…





しかし、矢嶌紅はすぐにまたいつもの表情に戻った。


そして固まるあたしには何も言わず


そのまま図書室に入ると小脇に抱えた本を棚に直した。


どうやら本の返却にきたらしい。


あたしはただただ、その背中を目で追った。


矢嶌紅はカウンターで返却処理を済ませると、また一度あたしを見た。


「!」


あたしは思わず、背筋が伸びる。


な…なに?!









「飲食禁止だぞ……」


矢嶌紅は一言、いった。








「……え?」


あ…!


矢嶌紅はあたしのお弁当箱を見て、勘違いしたのか。


「ち、ちがいます!私…ここで食べません!!」


あたしは慌てて言い訳した。