欲望チェリ-止まらない心

―――翌日






「お~い、橘」



お昼休み


眠い目をこすりながら、お弁当を持って廊下を歩いていると


先生に呼び止められた。


「すまんがこれ!昼休みみんなに返しといてくれ」


「え?」


先生は授業で集めたみんなのノートをあたしに渡した。


「あ…あのでも…」


「ん?」


先生は首をかしげる。


「っ……」


だけど…


今から図書室前のトイレにお昼を食べに行くから無理です、とは言えず。



「いえ、なんでも…ないです。任せてください」


あたしは結局それを受け止った。


「お~頼むな」


先生はパタパタと去っていく。


その背中を見ながら


あたしってきっと、先生からしたらすごく便利な生徒なんだろうな、と思った。







それにしても


「これ、どうしよ…」



ノートの束を持ったままトイレには行けない。


だけど…今さらランチタイムの教室には戻りたくなかった。



みんなが一番楽しそうなお昼休みは、あたしの一番苦手な時間でもあるから…。