欲望チェリ-止まらない心

気まずい気持ちでリビングに入ると、お母さんとお父さんが食卓を囲んでいた。


「っ………」


あたしの足は思わず止まってしまう。


そんなあたしを見て


「あら、ご飯もう食べれるの?」


お母さんはいつもと全く変わらない声を出した。


「どうしたの?早く座んなさい」


「…………」


ご飯をよそうお母さんに促されて、あたしは席につく。


「今日は三咲の好きなハンバーグだぞ~」


こんなに腫れた顔のあたしを見て、何も聞かないお父さん。


お父さんはただお茶を淹れてくれた。




あたしは机の上を見る。


ハンバーグ…


お弁当にも入ってたのに。


きっとお母さんが、あたしの機嫌を治すのにわざわざまた作ってくれたんだ…。


あたしはお箸でハンバーグを口に運んだ。


「どう?美味しいでしょ?」


まるで子どもをあやすみたいにお母さんが笑顔で聞いてくる。


こくん…


あたしは頷いた。


「おい…しぃ…」


そう小さく呟いて
じわ…と涙が溢れた。