キーホルダーも何もついてない丸裸の鍵を鍵穴に差し込む…ん?…差し込…めないっ!!
「ちょっと!!鍵差せないっ!!」
後ろでボーッと突っ立てる奴の胸に押し付けるように鍵を返す。
「………」
「それホントに此処の鍵?!」
「…家」
「はっ?!」
「家の鍵」
家の鍵…だと~?
何コイツ?
からかってんの?
ただの馬鹿なの?
「…鍵出せって言ったろ」
うん言った。言ったよ確かに。
でも…
「屋上の鍵に決まってんでしょ?!状況見たらそんくらいわかんでしょ?!今私達どこにいんの?!誰が家の鍵出せって言った?!今アンタん家の鍵出されて私はどうしたらいいの?!」
「…そうか」
「…一発殴っていい?」
「…何で」
「…もういい、ムカツク」
「…そうか」
コイツといると疲れる…

