URAHARA【更新中】




そうは思いつつ結局振り返る事なく、屋上へ出られるドアの前まで来た。

前まで来たんだけど…
ドアノブ握ってんだけど…

え?まさかの施錠?!
え?マジですかい?

屋上って鍵かかってんの?!
少女漫画でも少年漫画でも大概屋上に鍵なんて無いんだけど。

あっ!!わかった!!
コイツだ、コイツを使おう。
ヤンキーチックなコイツの事だ。
きっとサボる時は屋上にいるに違いない…という事は、コイツは鍵を持ってる!!

ちらり後ろを振り返ると、ちゃんと起きてるようだ。
眠いのか目はシバシバしてるけど。

「鍵」

「…鍵?」

「鍵出して!!」

「………」

「早くっ」

私が急かすと、怠そうにポケットに手を突っ込む黒田光太郎。

やっぱりヤンキーは鍵持ってるもんなんだよ!!
あれ?コイツってヤンキーなの?
ま、何でもいい。

チョイチョイ、と手を出せば乗せられる鍵。