URAHARA【更新中】




「百合ちゃ~ん?晩御飯一緒に食べてくでしょ~?」

台所から母のデカイ声が聞こえる。

「うんっ、いただきま~す!!」

隣からは百合のデカイ声。

「てか!!ふたり共そんなデカイ声出さなくても聞こえるでしょうが!!」

そう、家は狭い。
世間一般でいうボロアパートというやつだ。
6畳の部屋が2つに、8畳程の居間、控え目なお風呂にトイレ。

ラッキーなのは、トイレが辛うじて洋式な事。
あ、最近お風呂にシャワーもついた。

それもこれも母子家庭という家庭環境だからだと思う。

父は生まれる前からいない。
母が私を妊娠中に、事故で亡くなったんだそう。

だからって生まれてきた事を後悔した事もないし、父親がいない事で寂しい思いもした事がない。

仕事ばっかりの母だけど、家にいる時もしっかり母だから。
たまにお姉ちゃんにもなるし、友達にもなる母だから。

母が母だから私は幸せな人生を送れてる。