「はぁ…黒田…てめっ…」
「痛ぇ…」
凄く凄く長い間恐怖と強風と戦ってた気がするけど、多分15分程走ったんだろう。
私も良く行くアイスクリーム屋さんの前で停まった単車を降りて、ひとまず黒田の後頭部をグーで殴った。
コノヤロー覚えてろ…
女の恨みは怖いんだから…!!
自動ドアを抜けると店内は凄く涼しくて、お客さんがちらほら幸せそうにアイスを頬張ってた。
「で、どれ食うの?」
「私バニラとチョコミントのダブル!!」
今日は定番で攻めようじゃないか!!
…はっ!!すっかりアイスに釣られた!!
私アイスさえ食えれば何でも許せちゃう子なんだ…
可愛いとこあんじゃん私!!
「…ふっ」
「おい、今笑った?黒田くん鼻で笑いました?」
「………」
「無視かーおい」
「お前可愛いな」
「っ…!!」
何コイツ何コイツ何コイツ!!
ていうか私どうした?!どうしたんだ私!!
棗しっかりしなさい!!
誰かこの心臓止めて!!
いやいや止まったら死ぬよ!!
元の正常な心臓返して!!

