門を出てすぐ姿を見せたマンションに入ろうとする黒田の背中に聞くと
「…サスケ」
既に取得済みの情報を与えられた。
「あの忍…人がサスケって名前なのはわかってるよ!!何者なんだって事!!」
慣れた様子でエレベーターのボタンを押す。
「何者…?」
「うちの高校じゃないのに、あんなとこで何してたの?!アンタの友達?!」
チン、と音がしてエレベーターに乗り込む黒田と私。
「幼なじみ…一応」
5階建てらしいマンションの3を押して、閉じていく扉。
「一応って!!え、アンタも忍…ガイジンサン?!」
「生粋の日本人」
何だか黒田といるこの空間全部が自然で、黒田とは今日初めて話した気が全くしない。
もう何年もこうやって一緒にいるような感覚。
ただ左手は熱を持ったままで、胸が少し痒い。
まだ経験した事がない気持ちにただ"不思議"としか表しようがなかった。

