「…ホントだよ」
コイツは意外にも律儀なのかもしんない。
被害なんて言えるものじゃなくても、多分あぁやって自分だけが悪者になるんだろう。
「家、寄る」
「うん、って家?何でよ?」
「歩くの面倒臭ぇし」
それ答えになってなくない…?
ツッコミどころだけど、私的にそれどころじゃなかった。
下駄箱出る時から繋がれてるそれ。
今は優しく繋がれてるそれ。
男の子と手を繋ぐなんて物心ついてからは無いから、感じた事ない息苦しさを感じてる。
心臓をギュッと握られてるような。
世界が酸素不足になったかのような。
だけど不思議とこの手を離そうとは思わない。
訳わかんないコイツといるせいで、ついに私まで訳わかんなくなった。

