最後の言葉だけは、ちゃんとそう聞こえた。 僕は静かに立ち上がる。 どうやら、僕は王子にも騎士にもなれなったみたいだ。 彼女は行ってしまったし、僕はひとりぼっちだし。 病室のほうから、彼女の両親が歩いてくる。 その手には一通の手紙が握られていた。