Rose of blood *short story*

秋山さんは挨拶に追われているようで『ゆっくりしていってくれ』というとどこかへ行ってしまった。



「挨拶回りが大変そうね」

『あいつは律儀だからな。全員に挨拶をしないと気がすまないんだろう』

「真面目な人よね」

『そうだな』



見た目どおりの方なんだな。


俺も少しは見習うべきなんだろうな。



『瑠花、シエルさん、私たちも軽く挨拶に行ってくるから自由に楽しんでくれ』

『分かりました』

「帰る時はまた声かけるね」



俺たちはご両親の背中を見送り、壁のほうへと避けた。



「やっぱりパーティーは慣れないな」

『そうだな。でも、仕事も何も絡んでいないから俺は気が楽だ』

「いつもパーティーから帰ってくると疲れてるか眉間に皺が寄ってるものね」



その時の事を思い出しているかのようにクスクス笑っているローズ。



『ローズが待っていてくれるから我慢できてるんだ』

「本当に?」

『本当だよ』



今すぐ可愛い唇を奪いたいが、そんな事をすれば恥ずかしいと怒られてしまいそうだから止めておこう。