Rose of blood *short story*

ロビーのソファーに座り、時計を眺める。


こんなに時間を気にしたのは初めてだな。


バンパイアにとって時間はあるようでないようなもの。



『シエルさん…』

『お勤め先にまで来てしまい申し訳ありません』



お父上が来て下さって、少し安心した。


来たのはいいが、追い返されるかもしれないと思っていた。



『先日は本当に申し訳なかった。家内は今話を聞ける状態ではないが、私はまだ貴方とお話をしたかった。連絡先を聞かなかったことを酷く後悔しているところでした』

『いえ、私も配慮にかけておりましたので、本当に申し訳なく思っております』

『良ければ部屋でまた話を聞かせてもらえないだろうか』

『勿論です』



お父上は笑って病院内の自室へ案内してくれた。


今日は少しでも俺の話を理解してもらえればと思った。