Rose of blood *short story*

『瑠花にとっても、貴殿方はとても大切な存在です。ご両親の話をする時の瑠花の顔は凄く幸せそうなんです』



ガチャッ……


音がした方へ顔を向けると、倒れないようドアにしがみつき、涙をボロボロと流している女性が立っていた。



『小百合(サユリ)……』

「悪いじょぅッッだんは止めてくだッッさぃッッ!!私たちがッッど、んな思いで…毎日ッッ毎ッ日…過ごしているのかッッ考えたこ、とがありますかッッ!?」



立っていることも儘ならないのに、酷く興奮されその場に力なく座り込み、泣きながらも俺を睨むお母上……。


そんなお母上の腰に腕を回し、立ち上がらせるお父上。



「瑠花ッッ!!るかッッ!!る、かぁぁぁぁぁッッッ!!」

『シエルさん、すみませんが今日のところはお引き取り願えますでしょうか……』



泣きじゃくりながら瑠花の名を泣き叫ぶお母上を抱きしめるお父上の顔は、とても辛そうだった。



『また…明日お伺い致します』



ご両親に頭を下げ、俺は柊家を後にした。


柊家を出るまでずっと、お母上のすすり泣く声が響いていた。


その声がずっと頭から離れなかった。