Rose of blood *short story*

頭を抱え、項垂れて必死に気をしっかり持とうとしているお父上を見て胸が痛んだ。


ローズの言う通り、何も知らないまま記憶を消してあげるべきだったんだろうか…。


いや……分かってもらえるまで話をしよう。



『話を…続けても宜しいでしょうか?』

『……………』



力なく頷くお父上を見て、俺は包み隠さず全ての経緯を話した。





『……バン…パイア?』

『はい』

『瑠花が……バンパ…イアですって?そんな…そんなものが…この世に、存在するはずがない……』

『記憶を無くしていた瑠花も同じ様なことを言っていました』



信じたくはないだろうが、信じないということは瑠花の手がかりを失う事にも繋がる。


きっと俺には分からない程の葛藤をしているに違いないと思った。



『正直…信じられない気持ちでいっぱいです。普通なら頭の可笑しい人が家にいると、通報すべきな状況だ。でも、それができない程…信じたいと思ってしまう程……私たちにとって、瑠花は大切な存在なんです……』