『返事は今じゃなくていい。ゆっくり考えてくれ』



驚き固まってしまったローズの頬に軽くキスをし、俺はローズに背を向けドアに向かって足を進めた。


ドアノブに手をかけたと同時に後ろからローズに抱きつかれ、今度は俺が固まってしまった。



「ヘインズ王子のお誘いは断ったのッッ!!想いを寄せている人がいるのに、思わせ振りなことをしたくなかったから…」

『ローズ?』

「ダメ!!お願い…振り向かないで……今きっと真っ赤な顔をしているから………」



ローズの言葉を聞かずに俺は振り返った。


顔を見て話したかったから。


ローズは本当に顔が真っ赤で恥ずかしそうに俯いている。



『顔を上げてくれないか?』

「…////」