『先日はすまなかった』

「私の方こそ…何か気にさわるような事しちゃったんじゃないかって……」

『ローズは何もしてない。俺のせいで辛い想いをさせてしまったね』



必死に我慢していたはずのローズの目からは涙が零れ落ちる。


俺はローズの傍まで歩み寄り親指でそっと涙を拭った。


ローズの潤んだ大きな瞳に見つめられると自制心がきかなくなりそうだ。



『…笑わないで聞いてくれるかい?』

『??』



言っている意味が分からない様で、不思議そうな顔をして頭を傾けるローズ。


その姿を見て思わず笑みを溢してしまった。



『君が俺以外の男と食事に行くと聞いて…嫉妬したんだ』

「…えっ?」

『ローズ…君を愛してる。誰にも渡したくない。俺と結婚を前提に付き合ってほしい』



思いもよらなかったのか、目を見開き驚いている。


驚きすぎて涙も止まってしまったようだ。