Rose of blood *short story*

さっきまではお互い笑いあっていたのに、今では重たい空気が流れる。


楽しい食事になればいいなど微塵も思っていない。


むしろ『行くな』といいたいくらいだ。


だが、今の俺にそんなことを言う資格はない。


恋人でも何でもないのだから。



『すまないローズ、急な用事を思い出したので今日はこれで失礼するよ』

「えっ…」



本当は特に用事などない。


ローズと会っている時に本当に用事を思い出したとしても、いつもなら後回しにする。


でも今はこのまま一緒に居ればローズを傷つけてしまいそうで、嘘をついた。


俺は椅子から立ち上がり、ローズに背を向け出口へと向かった。


背中にローズの視線を感じたが振り返らなかった。