Rose of blood *short story*

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ファントム家に着き、テラスに案内されると俺の姿を見付けたローズが笑顔で迎えてくれた。



「シエルッッ!!」

『いつも出迎えてくれるのは嬉しいが、いつか転んでしまいそうで心配だよ』

「その時はシエルが助けてくれるでしょ?」

『あぁ』



あれから時間があればローズの元を訪ねている。


ローズに会いたいという想いからか、以前に比べ仕事をするペースが早くなった。



「今日はゆっくりしていけるの?」

『この間よりはね』



テーブルの上には飲みかけのティーカップが1つ多く置かれていた。



『誰かとお茶をしてたのか?』

「さっきまでお父様とお話をしていたの」

『今日は来ない方が良かったかな?』

「そんなことないっ!!お父様とは他国の方からの婚約の件についてお話していただけだから」



婚約の話か……。


途絶えることのないローズへの婚約の申し込み。


一体ルーシャス王とどんな話をしていたんだろうか。