Rose of blood *short story*

クスクス笑っている声が聞こえ目を向けると、ジョシュがこちらを見て笑っていた。



『何だよ』

『シエルのそんなに面食らった顔は中々見れないなと思ってね』

『俺たちのような立場の者なら誰でも驚くだろうよ』

『ローズは出来るだけ誰とでも心で接したいとよく言っているよ』



俺の中にはない感覚だった。


父の仕事を手伝っているとよく思うことがある。


心をさらけ出し正直に相手と話をすることは身を滅ぼすことに繋がると…。


だが、ローズにはきっと表も裏もないんだろうな。


そんなローズが隣にいてくれたら、周りや自分の汚い感情に飲み込まれず、自然体の俺を忘れずに生きていけるような気がした。



『ローズは皆に愛されているんだろうな』

『そうだな。ローズが社交場が嫌いな性格で良かったと思うよ。願わくばずっと汚れを知らない純粋なままでいてほしい』



良く言えば純粋、悪く言えば人を疑うことの知らない世間知らずのお姫様。


だが、俺もジョシュ同様ローズには純粋なままでいて欲しいと思ってしまう。


そんなローズを……俺の傍に置いておきたい。