Rose of blood *short story*

想像もしていなかったローズの対応に正直驚いた。



「サフィル怪我はない?」

「わ、私のことよりもローズ様はお怪我はありませんか!?」

「私は平気、濡れただけだから。だから泣かないで」

「ほ、本当に、申し訳ありませんでしたッッ」



ローズは使用人にまで優しく微笑みかけ、使用人の頬に流れた涙を拭っている。


使用人の手を握り、ローズが立ち上がった。



「お父様、私ちょっと着替えてくるわね。皆さんは気にせずごゆっくりどうぞ」

『ローズ、また戻ってくるんだよ』

「うんっ」



ルーシャス王の言葉に笑顔で返事をすると、ローズは「行きましょう」といって、使用人の手を引き部屋を出て行ってしまった。


信じられない…。


普通の貴族や王族であれば、使用人があんな粗相をしようものなら直ぐに罰する。


それを罰もなければ使用人に名前を聞き、終いには慰め一緒に手を繋ぎ出て行くとは…。