『瑠花の花嫁姿をこんなに早く見ることになるとは思っていなかった。シエルさんから瑠花の話を聞き、結婚の話も聞き驚きの連続だった』

「パパ…」

『それでも、お前が無事でいてくれたことの喜びの方が大きかった。シエルさんと温かい家庭を築きなさい』

「パパとママみたい、にッッいつまでも思い遣りの心ッッを忘れ、ないで、シエルと温かい家庭をッ築くッッよ」

『シエルさん、娘を宜しくお願いします』



パパとママがシエルに頭を下げる姿が涙でどんどんぼやけていく。



『お父様、お母様、どうか頭を上げて下さい。あなた方がいなければローズとはもう会えなかったかもしれません。ローズを育ててくれて心より感謝しております。必ず幸せにしてみせます』



膝の上にのせている私の手の上に、シエルの手が重なる。


命つきるまで、この愛しい手を離さないと私は強く心に誓いをたてた。