出来上がったウェディングドレスの前に座り、ドレスをボーッと眺める。


シエルは仕事の為執務室に行ってしまった。


子供たちは少しの間ラキにお願いした。


ウェディングドレスはバラをモチーフにした、上品で可愛らしいデザインになっている。


出来ることなら異世界のパパとママにも晴れ姿を見せたかった。


でも、それはもう叶わない願い。


ジェイドにお願いをして、パパとママの頭の中から私の記憶を消してもらったから。


部屋のドアをノックされ返事をすると、ジョシュお兄様が入ってきた。



『そんなにしんみりしてどうしたんだ。もしかしてマリッジブルーか?』

「ううん。むしろ早く式を挙げたくてしょうがないくらい」

『それじゃあどうしたんだ?そんなに浮かない顔して』



ジョシュお兄様は私の横に立ち、一緒にドレスを眺めはじめた。