Rose of blood *short story*

誰にも見られないように足早に屋敷の外へと向かった。


外の正面玄関とは逆方向に足を進めていく。


初めて外に出たから、エリーがどこに向かおうとしているのか、全く見当もつかない。



「ここを通って外に出ましょう。体に傷がつかないように気を付けてね」

『ここを抜けたら屋敷の外なの?』

「えぇ、そうよ。純血の血は混血よりも匂いが濃いから気を付けるのよ」



今は使われていない地下トンネルに入る。


ずっと誰も通っていないせいか、木の根が絡まっていて、思う様に前に進めない。


エリーがナイフで根を切りながら少しずつ歩いていく。



「もうすぐで外よ」

『本当に!?』

「本当に」



振り返ったエリーは満面の笑みだった。


俺もさっきまでの不安が薄くなり、笑顔になる。


もうすぐで外に出られる。


自由になれる。