Rose of blood *short story*

いつもは気にならない時計の針の音が、今は耳障りでしょうがない。


カチッカチッカチッ…という音に心を乱されているような気がする。



「アッシュ!!お待たせ」



ソファーの上でうずくまっていると、エリーが勢いよく部屋に入ってきた。


そして、俺に黒い上着を着せる。



「アッシュの髪の毛は目立つから、フードもしっかり被ってね」

『うん…』

「大丈夫、きっと上手くいくわ。だからそんなに不安そうな顔をしないで」



エリーの言葉に頷き笑って見せた。


そしてエリーに手を引かれ、俺は初めて自分の意志で部屋を出た。


エリーとの明るい未来を信じて。