Rose of blood *short story*

晩酌が終わり、伯爵様の部屋を出た俺はここに来るまでの俺とは別人になってしまった様な気がした。


泣き叫べば泣き叫ぶ程伯爵様は楽しそうな笑みを浮かべた。


苦痛に顔を歪めれば歪める程伯爵様は嬉しそうな笑みを浮かべた。


初めて思ったことがある…どうして生まれてきたんだろうって……。


部屋に戻るとすぐに優しい香りに包まれた。



『エリー……』

「ッッアッシュ…お帰りなさい」

『ただ…い…ま……』



泣きながら抱きしめてくれるエリーにしがみつく様に抱きつき返す。


エリーが居てくれなかったら…必要としてくれなかったら、きっと耐えられなかった。


俺は恐怖が甦るのと同時に、エリーに抱きしめられている安心感で声も我慢せずに泣いた。


エリーは俺が泣き止むまでずっと…ずっと…抱きしめてくれていた。