Rose of blood *short story*

伯爵様と会う時間が刻々と迫ってきている。


俺は用意された服を着て、エリーの手を握りソファーに座っている。


用意された服も真っ黒なタキシードだった。


まるで闇の中に引きずり込もうとしているみたいだ。


ドアがノックされ、心臓が飛び跳ねた。



「お迎えにあがりました」

『エリー、行ってくるね』

「えぇ…」



繋いでいた手はゆっくりと離れ、俺は精一杯の笑顔を見せ部屋を出た。


部屋を出ると、血のように真っ赤な絨毯が敷かれていた。


キラキラしたシャンデリアが天井から下がっていて、絵画などがしきりに飾られていた。


初めて見るものばかりで普通ならワクワクするだろうが、心も身体も恐怖に覆われていた。