Rose of blood *short story*

*****


執務室のドアをノックすると、疲れたようなシエルの声が返ってきた。



「邪魔、だったかな?」

『いや、ローズならいつでも大歓迎だよ』



疲れているはずなのに、私だと分かると疲れを感じさせないよう笑顔を向けてくれる。



『なんだかご機嫌だね』

「恋のお手伝いをしてきたの」

『誰の恋のお手伝いをしてきたんだい?』

「秘密~」



シエルは笑って立ち上がると、ソファーに座る私の隣に腰を下ろし、抱きしめてくれた。


シエルの匂いがする。



『上手くいくといいね』

「うんっ」

『ごめんよ…ローズ』

「どうして謝るの?」

『中々一緒にいられる時間を作ってあげられないから…』



ギュッと抱きしめる腕の力を強めるシエル。


お仕事だからしょうがないのに…。



「シエルの愛情を感じてるから大丈夫。だから謝らないで」

『ありがとう』



シエルの手が私の顎を軽く持ち上げる。


どんどん近づいてくるシエルの綺麗な顔。


私は目を閉じた。


冷たいシエルの唇が重なり、どんどん心が満たされていくような感じがした。