「嬉しかった?」 「……少しね」 それでもこんなことを言ってしまう私は、本当に可愛くない。 「素直になれば、もっと可愛いと思うけど」 車に乗ったから、田嶋さんに聞こえないようにか、耳元で囁かれる。 耳にかかる息にビクっとしてしまったため、背中を反らして蓮から遠ざかった。