お互い目が合ったまま、そらさない。



10数秒それが続いて、やっと蓮が口を開いた。



「べつに、花は何も悪くないから」


「……うん」




それだけ言うと、カーディガンをつかんでいる私の手をそっと外す。




「帰るぞ」



そのまま手をつないで、何も話さずに並んで帰った。