「蓮っ、待って!」 廊下の端に背中が見えて、大きな声を出す。 それでも止まってくれない蓮は、さっさと階段を降りて帰ってしまう気なのか。 待っててくれたんじゃなかったの……? 意味がわからないけど、追いかけなくちゃ。 なぜか強くそう思い、やっと追いついた時にはもう、玄関の前。