「あのさ、俺。知ってるとは思うし、あの頃だってそうだったけど……」



やめて。



敦が半歩私に近づいたせいで、壁に背中をつく。



逃げたい。



逃げ場が……。



チラ、目線を外すと、足を踏み出した。