明らかに、男の声だった。 それも若くない。 私の電話番号を知っている人……。 顎をついて考え込む私に、心配そうな視線を向ける友依。 大丈夫だよ、と口パクで伝えると、顔つきは変わらないままうなずいた。 「誰ですか?」 「……の声で分、らないか」 電波が悪い。