後から知ったことだけれど、先生が来たのは美雪の策略らしい。



廊下側の窓から体育倉庫に入っていくのが見えて、「片付けの時に上着を忘れてきた」と言って。



無事に中学を卒業した私と岳は、金銭的な問題もあり、外部の高校への入学が決まった。



残念ながら岳は受からなくて、家の近くの天海高校に入学した。



春休みの間に仕事先を探して、少しでも多く欲しいから、パパの友達の尚君に頼み込んで、FanFareに入れてもらった。



そして、1年経って公立が大変になり、ちょうど募集がかかっていた天海高校を受けて。



――……今に至る。