私達を避けた後は、後ろからヒソヒソと声が聞こえる。 「大丈夫かなぁ?あの子」 「でも元カノでしょ?無表情じゃん。平気そー」 「でも、別れてからだいぶ経つよね?」 この言葉のどこに敦を怒らせる要素があったのかは分からないけど、私に聞こえて敦に聞こえないはずはない。 イラついたように途中にあったごみ箱を蹴ると、私はもちろん、周りにいる人もビクっと体が跳ねた。 小さく聞こえていた話し声も、今度こそ本当になくなった。