嘘つきな彼女Ⅱ


「う……っ」



……あんな奴のためになんて、泣きたくない。



今だけなんだから……。



必死に声を押し殺して、しばらく泣いた。



こんな時に限って、優しい、私の好きな敦しか思い出せない。